建物の雨漏りは屋根からよりもむしろ外壁からの雨漏りが意外と多いことは知られていません。外壁からの雨漏りの問題が顕在化したのは、1980年頃です。
そして、1983年に、NHK でコンクリートクライシス(耐久性神話の崩壊)が放映され、にわかにコンクリート構造物の劣化が身近な問題となりました。
外壁防水材は、この塩害等の早期劣化に対するコンクリートクライシスに有効であることが実証されてきました。
近年、業界の権威者は、建物の外壁自体への雨水の浸入を防げば、建物の寿命を飛躍的に延ばせると主張しております。
外壁防水の役割は、快適な生活空間を得るための「雨漏り防止」と「建物の長寿命化」の2つです。
外壁用防水材は屋根と違って垂直面に施工するため、その材料的な特徴は、一度の厚塗りでたれず、均一な膜厚を作るようなレオロジー(粘性)特性を有しています。
防水とは、「ひび割れ追従性」を意味します。外壁防水材に求められる機能はコンクリートにひび割れが生じても、長期にわたって高弾性の防水塗膜が追従して雨水をコンクリート中に入れないことです。
鉄筋コンクリートの劣化とそれに影響する水
建物建築時には、外部は特に防水の観点から設計と建築が行われています。しかし、表面の塗装材や防水材は経年劣化が進行し、躯体保護機能が低下してしまいます。加えて小さな地震や大型車両の往来による振動なども、コンクリートのひび割れ発生の原因となります。
鉄筋コンクリートの劣化に大きく関わっているのが水の存在です。鉄筋コンクリート躯体に水が浸入することで、中性化・塩害・アルカリ骨材反応・凍害といったさまざまな劣化を引き起こし、鉄筋腐食・ひび割れ・コンクリートの剥落に繋がります。それらが建物の寿命を縮め、資産価値の低下に影響を及ぼします。
10年先、20年先を考えた投資を
改修工事に取り組むうえで最も大切なのは10年先、20年先に建物がどのような状態を維持しているかだと私たちは考えます。そこで、私たちが自信をもってお奨めしているのが外壁塗膜防水材【アロンウオール】を使用した改修工事です。その優れた挙動追従性(防水性)、耐久性によって長期にわたり躯体を保護します。
外壁は雨に対してかなり無防備
漏水といえば屋根(屋上)が原因と推測しがちですが、漏水の原因は屋根21%に対し、外壁は45%というデータもあります。
その背景には最近の建物は庇が少なく、風速5m程度の風が伴えば外壁も屋上とほぼ同雨量の雨を受けてしまうことがわかっており、無防備な外壁に影響を与えています。
直接雨を受けた外壁は、窓まわりや外壁目地といったシーリング材劣化部の他、軽微なひび割れからも毛細管現象により雨水が浸入し漏水に至ります。
ゴムの弾性塗膜が雨水の浸入を防ぎます
外壁塗膜防水材【アロンウオール】の防水主材は、成膜塗膜中のアクリルゴム樹脂量が55%(重量)以上と豊富に含まれており、その弾力性(伸び)と厚膜によって躯体を保護します。また、しだいに硬くなることで知られている可塑剤を含まないことから、長期にわたりその弾力性(伸び)を保持し、ゴムで覆われた建物が水の浸入を防ぎます。