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コンクリート 補修 | 凍害によるスケーリング劣化を抑制する技術のご紹介

土木技術

  • 浸透性コンクリートスケーリング劣化防止材
  • 〔T&C防食〕

『T&C防食』は2種類の反応機構の異なる浸透材をコンクリート表面に塗布する事により、凍害によるスケーリング劣化を抑制する技術です。2種類の浸透材は珪酸化合物を主成分とするA液とシリコンを主成分とするB液から構成されます。
まずA液を塗布することによりコンクリート表層部の毛細管空隙を充填し、表層部コンクリート組成を緻密化します。
次にB液を塗布することにより防水剤が基材内部に浸透し、コンクリート表層部に耐久性のある吸水防止層を形成します。

上記2つの改質材の組み合わせは、容易に作業することができ、その結果、1種類塗布に比べ、コンクリート中の細孔を無機不溶性物質により、さらに充填することが可能となります。また、T&C防食処理されたコンクリート表層部は硬度が向上することが確認されており、凍結融解によるコンクリート表層の剥離応力に対しても、抵抗性が増しスケーリング発生を抑制する機能を有します。

※スケーリングとは、凍結融解によるコンクリート表面剥離現象のことです。

用途

『T&C防食』は、凍害環境下におけるコンクリート構造物のスケーリング(表面剥離)防止を主目的としますが、コンクリート打設後塗布可能な状況であれば、あらゆるコンクリート部材に使用することができます。特に塗布効果が期待できる用途を以下に示します。

  • 寒冷地におけるコンクリート構造物全般
  • その他劣化因子侵入抑制が求められるコンクリート構造物(新・既設問わず)

特徴

1スケーリング抵抗性

「T&C防食」によって保護されたコンクリート表面は、無処理コンクリート表面と比較してスケーリング抵抗性が改善されることが、室内スケーリング試験及び北海道内3箇所(苫小牧港、網走港、宇登呂港)における屋外曝露試験結果により確認されております。(屋外曝露試験は現在も継続中で期間が最も長い場所で11年を経過しております。(平成24年1月時点))

2防水性

「T&C防食」によって保護されたコンクリート表面は、無処理コンクリート表面と比較して24時間後の吸水量が1/5以下になり、吸水抑制効果の向上が確認されております。

3外観への影響

「T&C防食」を施工した後も、コンクリート構造物の持つ外観に大きな変化を与えないことを確認しております。

4安全

「T&C防食」に使用される各材料に含まれる重金属類は、不検出又は厚生労働省生衛発第508号基準以下であり、有害な物質を溶出しない事を確認しております。

屋外暴露試験

防水性能

JIS A 1404に準拠した吸水試験による防水性能確認結果
コンクリート供試体:直径150mm×高さ40mm
配合:W/C50%、55%、60%の3ケース、Airはいずれも5%
T&C防食は全面塗布処理を行い、無処理との比較を行いました。
(試験機関:八戸工業大学工学部環境建設工学科)

スケーリング試験結果

試験方法は供試体を上面まで塩水で浸し、ASTMC672に準じて凍結融解を繰り返し、コンクリート表面の剥離量(スケーリング量)を測定したものです。 この試験により、セメント量の大小、空気量の大小に関わらずT&C防食がスケーリング抵抗性を、大きく改善することが実証されました。

建設技術審査証明の結果

スケーリング抵抗性

実験結果及び現地での追跡調査の範囲内では、「T&C防食」によって保護されたコンクリート表面は、無処理のコンクリート表面と比較してスケーリング抵抗性が改善されることが確認された。

防水性

実験結果によれば、「T&C防食」によって保護されたコンクリート表面は、無処理コンクリート表面と比較して24時間後の吸水量が1/5以下になり、水分の吸水抑制効果が確認された。

外観への影響

現地施工実験によれば、「T&C防食」を施工した後も、コンクリート構造物の持つ外観に大きな変化を与えないことを確認した。

安全性

含有量試験の結果によれば、「T&C防食」に使用される各材料について含まれる重金属類は、不検出又は厚生労働省生衛発第508号基準以下であり、有害な物質を溶出しない事を確認した。