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施工管理スタッフ

工事課

施工管理スタッフ

つねに『なぜ? 』と想う。
ここで暮らしていく人々の
未来を笑顔にしていくために

Real story

「えー、もう会えないの?」小さな両眼が悲しそうに見上げてくる。嬉しいけど、少し寂しい。こんな出会いをたくさん経験してきた。
彼が担当するのは建物の大規模修繕。防水・外壁・耐震と、さまざまな分野の現場を手がけてきたが、いちばん自分に合っているのはマンションだと感じている。数多くの家族の暮らしの基盤であるがゆえに騒音や振動への気遣いや管理組合との打合せなど、コミュニケーションは欠かせない。それを彼はこの仕事の「醍醐味」だと捉えている。
大規模修繕が始まる前に行う住民への工事説明会。その最後に彼は必ずこう付け加える。「工事期間中はお会いする皆さまに『挨拶』させていただきます。皆さまのご協力があってこそ、工期通りの修繕が可能です。大きな声の挨拶がうるさいかもしれませんが、どうぞご容赦ください」生活の場を修繕する人がどんな人なのか。住民の方々の不安そうな顔が、この瞬間、彼の言葉で少しほころぶのだ。
新卒で入社したゼネコンではモニュメントや有名建築家が設計した美術館などの特殊物件を手がけた。特に美術館の螺旋階段部分の出来栄えには建築家も目を見張ったという。
それでも、彼はお客さまと直接触れ合える仕事がしたかった。その後、不動産・大手ハウスメーカーで営業を経験してお客さまとのコミュニケーションスキルが格段に向上。生まれ育った神戸で、建築の仕事で、人と触れ合える仕事として最後に選んだ会社が山陽建材工事だった。
お年寄りは横になっていらっしゃることが多いから振動に敏感。子どもたちは興味の塊なので、作業場内で遊ばないよう注意。一つひとつの積み重ねで、ようやく足場が取り払われる日が来る。
その日、彼は仕事をやり遂げた安堵感と共にマンションが自分の現場ではなくなるという寂しさも感じる。工期中に仲良くなった子どもたちとも、さよならしなければならない。
休日には息子を現場に案内する。「ひとつには、父親の仕事を知ってもらいたい。もうひとつは、どんなときでも父の居場所がわかるように、です」震災を経験した彼は、自分のため、そして家族のために地元・神戸での仕事を続けていく。